梁 世柱2023年11月26日造り手の想い私は造り手を訪問した際、できる限り「造り手の想い」を引き出そうと努めている。 その舞台は、もっぱら葡萄畑の中だ。 セラーやテイスティングルーム、ましてや大きな試飲会場などでは、(嘘も含めて)適当な回答をされることは少なからずあるが、不思議と(全てがさらけ出される)葡萄畑の中...
梁 世柱2023年11月4日自由と責任ワイン造り、ワイン輸出入、ワイン販売、そしてワインを飲むこと。 自由意志の元に行われるそれらの行為には、どのような責任が付随しているのだろうか。 人類が科学と兵器を手にし、真に地球の支配者となって以降、ヒトが他のあらゆる動植物よりも優れた存在たるための「理性」は、自由と責任...
梁 世柱2023年8月19日呼称資格の価値と、守られるべき権威ワインには様々な呼称資格認定試験がある。 日本においては、日本ソムリエ協会が認定しているJ.S.A.ソムリエ、J.S.A.ワインエキスパートに加え、近年ではWSETが認定している呼称資格も認知度が高まっている。まだまだ極一部だが、Court of Master...
梁 世柱2023年8月12日味が変わる=悪、なのか去年と味が違う。10年前の方が良かった。30年前は全てが素晴らしかった。 ワインというのは、何かにつけて、味わいの変化が否定的にみなされる事が多い(その逆もあるが)飲み物だ。 もちろん、そう言いたくなる気持ちも分からないではない。...
梁 世柱2023年7月18日ワインとAI Part.3本シリーズでは、AIの進化が、ワインの世界に携わる人々にどのような影響を与え得るのかについて、実際にGoogle Bardでコマンド入力を行いながら検証していった。 Part.1では、AIがもっともらしいウソをつく「ハルシネーション」と、その問題点について、Part.2では...
梁 世柱2023年6月7日ワインとAI Part.1OpenAI社のChatGPT、Google社のBard、Microsoft社のBingAI。 文章生成AIや対話型AI(以降、統一して生成系AIと表記)などと呼ばれるこれらの新技術は、私のようなワインプロフェッショナルが聖域と信じて疑わない領域に、いよいよ足を踏み入れよう...
梁 世柱2021年11月2日生体アミンとSO2:示された一つの可能性個で全を語ることは危険であり、一つのソリューションが全てを救うという希望もまた、ただの夢想に過ぎないのではないだろうか。 「ワイン不耐性にようやく光が」(ジャンシス・ロビンソンMW著、小原陽子訳)と題され、オンラインワインメディア「Vinicuest」上で公開された記事(訳...
梁 世柱2021年10月12日ラベルに罪はあるのかワインのラベルは重要だ。 ブラインドテイスティングでも無い限り、一連のワイン体験の中で最初の「楽しむ」プロセスはラベルを観ることだ。 ラベルには、そのワインに関する様々な情報が詰めこまれている場合もあれば、文字による情報をほとんど含まないデザインの場合もある。...
梁 世柱2021年10月3日ワインと味わいの不思議な関係多くのワイン愛好家の方々が、特定の状況や場所で「ワインをより美味しく感じた」経験をおもちなのではないでしょうか。今回は、その謎めいた現象に迫ってみたいと思います。なお、本稿の内容は、科学的見地に基づいた内容では基本的にありません。あくまでも、実体験に基づく「推測」になります...
梁 世柱2021年7月21日西ドイツを襲った大洪水7月15日、世界に名だたる銘醸地が連なる西ドイツ(ベルギー、オランダの一部も)を、記録的豪雨とそれによって引き起こされた未曾有の洪水が襲った。13日頃から降り注いだ雨は、複数のエリアで例年同時期の約2ヶ月分に相当する降雨量を24時間で記録し、多くの河川を氾濫させた。...