ワイン産業という大海には、時折巨大な波が発生する。
その始まりはさざなみ程度のものであっても、集約を繰り返しながら、徐々に勢力を増していくものがあるのだ。
現代において、その特別な波を導いているのは、潜在的集合意識だろう。
最終的に世界中を巻き込むような大波へと成長するさざなみは、世界各地で同時多発することが多いからだ。
これは、極一部の圧倒的な影響力の元に導かれていた時代とは、明らかに異なる現象でもある。
言い換えるなら、『多様性の時代ならではの、潜在的集合意識の存在』となるだろう。
そして、潜在的集合意識に導かれた波は、いくつかのトレンドとなり、世界を駆け巡っていく。
本稿では、2023年をどのようなトレンドが導いていくのかを予測して行こう思う。
まず、ワイン造りという大きな括りで言えば、オーガニック(もしくはビオディナミやパーマカルチャーなど)とサスティナビリティ(SDGs)の両立が、極めて重要なテーマとして取り組まれていくことはほぼ間違いないと言える。これは、オーガニックだけではSDGsへの取り組みとして不足しがちな一方で、サスティナビリティだけでは「農」への取り組みとして不十分に(サスティナビリティ認証が、実質的な反オーガニックの隠れ蓑として機能してしまっている)なりがちだということに、いよいよ世界は目を背けていられなくなってきたからだ。