表題の通り、最近2年連続パーカー100点のワインを飲み比べてみました。
パーカーさんことロバート・パーカーJr.氏については、その採点方法、採点基準等、いろいろ皆様も思うところはあるかと存じます。
また、このコラムでは彼の説明は省きますが、ロバート・パーカー氏は記事の公平性を高めるため、執筆に関連した旅行費用は自身が負担し、接待を受けない、広告もとらないという姿勢を貫いたところは個人的に嫌いじゃないです。
生産者: Château Pontet-Canet / シャトー ポンテ・カネ
ワイン名: Château Pontet-Canet / シャトー ポンテ・カネ
葡萄品種: Cabernet Sauvignon 65% Merlot 30% Cabernet Franc & Petit Verdot 5%/
カベルネ・ソーヴィニョン 65% メルロー 30% カベルネフランとプティ・ヴェルドー 5%
ワインタイプ:赤ワイン
生産国: フランス
ヴィンテージ:2009 2010
インポーター: ミレジム
参考小売価格:オープン (750ml)
さて、今回取り上げさせていただきましたパーカー100点を獲得したボルドー格付第5級シャトー ポンテ・カネ2009年及び2010年は、ボルドーにおけるビオディナミの先駆者で、2004年よりビオディナミを導入し、2010年にはビオディナミ生産者が結成した組合の厳しい基準をクリアし、ビオディヴァンの称号を得ました。
また、つい最近までビオディヴァンの称号を得た唯一の格付シャトーでした(今年から、格付第3級のシャトー・ラ・ラギューヌもビオディヴァンによるビオディナミの認証を受けたワインをリリース)。
年々、ビオディナミを導入する格付シャトーが増えてきていると感じていますが、馬による耕作等をはじめ、当然所有する畑が広いほど仕事は大変です。特に、シャトー ポンテ・カネは年間生産本数約25万本を誇るため、その膨大な仕事量は想像に難くありません。
次に、2009年と2010年というヴィンテージですが、ボルドーにおいて2009年はブドウが完熟し、凝縮感があり、いわゆるグレートヴィンテージという評価となっています。
また、2010年も2009年に続く偉大なヴィンテージと高い評価を受けています。
実際にテイスティングをしてみて、まず2009年は非常に外交的な人当たりの良いワインで、しっかりと完熟した濃厚なカベルネ・ソーヴィニヨンと果実味たっぷりのメルローが共存し、非常にボリュームのあるワインですが、今飲んでも最高に美味しい満足感のあるワインに仕上がっています。
続いて2010年ですが、ポテンシャルは高いですし、こちらも今飲んでも十分美味しいのですが2009年と比べると頑強で気位が高くまだちょっと心を開いてないな、といった印象を受けました。
ちなみに、双方ヴィオディナミワイン特有の、ともすればネガティヴな香り等の印象は全く無く、実に素晴らしいクリーンなナチュラルワインでした。凄いワインの管理体制ですね…
なお、上記のようにシャトー ポンテ・カネ 2009年及び2010年は素晴らしいワインですが、パーカー100点という評価と相まって、実勢価格は例年の2倍ほどします(泣)
しかしながら、是非皆様に勇気をもってお試しいただきたいです。
<ソムリエプロフィール>
山本 隆裕 / Takakhiro Yamamoto
1977年静岡生まれ。名古屋と東京の様々なバー、及びレストランにてソムリエとして研鑽を積む。
2020年より株式会社SUGALABO入社、S担当。