SommeTimesでは、ワインにおける古来の価値観である「テロワール」に関する話が頻出する。
そこで今回は改めて、SommeTimesとしてのテロワールの定義を明確にしておこうと思う。
特にメインライターである筆者(梁 世柱)のあらゆる記事と密接に関わってくる内容となるため、是非ご一読いただきたい。
まずは、テロワールの前段階の話をしよう。
この前段階は、自然環境そのものである。
特定のエリアの土壌、気候、生態系を含めた「空間」と置き換えても良いだろう。
しかし、この「空間」は、我々の周りに常にある空気と同様に、基本的には「ただそこに存在しているだけ」であり、特殊な意味性をもつには至らない。
つまり、その空間がブルゴーニュにあろうが、リオハにあろうが、北海道にあろうが、空間のままではそれ自体に意味は生じないため、(ワイン目線から見た)「違い」という概念はまだ生まれていない。
テロワールが形成され始めるのは、次の段階からだ。