ご存知の通り、ブルゴーニュには超広域Bourgogneから始まりGrand Cruに至るまで、多階層の格付けが存在していますが、同階層内でも優劣が生じます。
本シリーズでは、以下のような形で、すべての特級畑、一部の一級畑(単一としてリリースされることが多いクリマ)、一部の村名格畑(特筆すべき品質のものを抜粋)をランキングしていきます。
SS:最上位の特級畑クラス
S:平均的な特級畑クラス(一部の一級畑も該当)
A:特級畑に肉薄する最上位の一級畑クラス(一部の特級畑も該当)
B:際立って秀逸な一級畑クラス(一部の特級畑も該当)
C : 秀逸な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当)
D:平凡な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当)
一部のクリマに関しては、生産者による品質の落差が大きいため、(A~S)のようにランクを跨いだ評価となります。
第五回はコルトンの丘周辺をテーマと致します。
特級畑コルトン及びコルトン=シャルルマーニュを取り囲む三つのAOC(Aloxe-Corton、Pernand-Vergelesses、Ladoix)は、それぞれ大きく異なる個性と、より得意とするスタイルがあります。
慎重にワイン選びをすれば、コストパフォーマンスに長けたワインに出会える可能性も高いエリアとなりますので、ブルゴーニュが高騰した今だからこそ、改めてしっかりと学んでいくべきでしょう。
では、各AOCの解説及びクリマのランキングに移りましょう。
Aloxe-Corton
Rouges : 118.53ha (35.91ha 1er Cru)
Blancs : 1.36 ha(0.27ha 1er Cru)
一級畑:14
特級畑Cortonの大部分を有するアペラシオンとして知られていますが、一級畑にも秀逸な赤ワインのクリマが少なからず存在しています。
生産量の違いからもわかるように、Aloxe-Cortonは基本的に赤ワインのアペラシオンとなります。
より優れた一級畑は特級畑Cortonから地続きとなっており、品質的にもCorton最下部のリュー=ディとほぼ遜色ないため、このエリアの一級畑は相対的にコストパフォーマンスに優れています。
程よい力強さと重心が低い果実味、鉄分を感じさせる独特のビターなミネラリティが特徴となります。