昨年末のVinho Verdeツアー最終日、大トリとなったワイナリー訪問は、Monção e Melgaçoを代表する名ワイナリー、Soalheiroだった。
Soalheiroは1974年に、ジョアン・アントニオ・セルデイラと彼の両親が、サラザール政権下で領地の端へと追いやられていた葡萄樹を、ひとつなぎの畑全体に植え直したことをきっかけとしてスタートした。
以降、徐々にその名声を高め、Alvarinhoの王者となったSoalheiroは、現在3世代目へと突入している。
中核を担うのは二人の姉弟。
姉のマリア・ジョアンは栽培を担当し、オーガニック農法を自社畑で導入した。
また、美しい自社畑に自生するハーブや花から、ハーブティー(筆者も購入して帰国後に飲んだが、驚くほど美味しかった!)を開発したりと、多方面でのサスティナビリティーにも余念が無い。
弟のアントニオ・ルイシュは醸造を担い、伝統の継承とさらなる洗練に邁進している。Soalheiroが極小規模で手掛ける数々の「実験的ワイン」は、彼の先進的精神の賜物なのだろう。
そんな二人を優しく導くのは、母のマリア・パルミラ・セルデイラだ。
そして、Soalheiroはアットホームな家族経営ワイナリーだが、それ以上でもある。
従業員や契約農家の多くは、家族代々Soalheiroと共に働いており、彼らと彼らの家族も含めて、Soalheiroのビッグ・ファミリーとなっているのだ。
なんとも気持ちの良いストーリーを聞いた後は、実にマニアックで楽しいテイスティングの時間が待っていた。
Soalheiroの看板ワインとなるAlvarinhoの、2012~2022年に渡る大垂直テイスティングだ。