ガストロノミック・ペアリングでは、中級者以上を対象に、より高度かつ複雑な技法を駆使した、美食的完成度の高いペアリングを紹介、検証していく。
第四回より全7回にわたって、日本料理(コース)の流れに沿ったペアリングの構築をテーマとしていく。
第七回(日本料理編としては第五回)となる本編では、肉とワインを合わせる際の基本と、特定の品種と食材間の相性にフォーカスして、ペアリングを考察していく。
肉料理に対して、非常に重要なアプローチとなってくるのが、ワイン側の渋味とアルコール濃度の調整だ。
まず肝になってくるのは、肉料理の咀嚼回数。
ワインが肉に対してアプローチするためには、肉の細胞が破壊されて、ワインが染み込んでいく「隙間」が生じる必要がある。