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問われる真価 <オーストリア・カンプタール特集>

オーストリアを象徴する葡萄品種といえば、グリューナー=ヴェルトリーナーとリースリング。


ブラウフレンキッシュやツヴァイゲルトなど、同国には偉大な黒葡萄も存在しているが、一般的なレベルでのオーストリアワインへの理解という意味においては、間違いなく白葡萄の両巨頭に軍牌が上がる。


そして、その白葡萄を象徴する産地は、Wachauである。


むしろ、Wachau一択、としても過言では無いほど、彼の地の総合力は他を圧倒してきたと考えられている。


だが果たして、本当にそうなのだろうか。


本当に、Wachauが唯一無二の絶対王者なのだろうか。


それを確かめるには、もう一つの産地を深く理解する必要がある。


Wachau最大のライバル候補、Kamptalだ。




Kamptal

Wachauの東端からKremstalを挟んで、ランゲンロイスの街を中心に、ドナウ川に合流する直前のカンプ川流域に広がっているのがKamptal。


葡萄畑はカンプ川北部(左岸)の南向き急斜面(一部はテラス状)と、川により近いなだらかな平地エリアに集中している。また、Wachauと同様に、東側のパンノニア平原からの熱風と、西側のヴァルトフィアテル森林からの冷風の影響を共に受けるため、Kamptalの西部ゾーンはより冷涼に、東部ゾーンはより温暖なマイクロ気候が形成されるが、全体的には、ダイナミックな東西からの影響によって、昼夜の寒暖差が広がりつつも、明確にWachauよりもやや温暖となる。


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