オールドワールド、ニューワールド。
ボーダーレス社会の現代では、ともすれば問題視されかねないこの言葉を日常的に使っているのは、おそらくワイン関係者だけである。
そして本来は、「大航海時代以前からワイン造りを(産業レベルで)行っていたか否か」に基づいて定義付けられていたはずの言葉は、ワイン市場がグローバル化し続ける中で、その意味を拡張させてきた。
原初の定義であれば、純粋な歴史的事実に基づいた、単純な地理的区分けであるため、現代でも当然通用して然るべきだ。
しかし、拡張された定義が今、大きな誤解の温床となっている。