3月10日、オレゴンからEvening Land Vineyardsのサシ・ムーアマン(他関連ワイナリー:Sandhi Wines、Domaine de la Côte、Piedrasassi)をゲストに迎え、「ビオディナミを説く」と題したオンライン・セミナーを開催した。
信じるか信じないか、といったどうにも宗教的な見解に至りがちなビオディナミ農法だが、原理はさておき、結果でのみその是非を判断すべき、というのが私自身の考え方だ。
だからこそ、ゲストにサシ・ムーアマンを迎えた。
以前、カリフォルニアの特集記事を組んだ際にも、徹底した現実主義者のサシならではの正直な言葉に、随分と助けられたからだ。
本記事はサシとの対談をもとに、ビオディナミのリアルを(私自身の備忘録も兼ねて)掘り下げていく内容となる。
実際のセミナーでは、5つのテーマに分けてディスカッションを行ったが、内容が重複する部分もあったため、整理した形で記述していく。
テーマ1
農法の違いは、最終的なワインの品質に直結するのか。
この問いに対するサシの返答は、YesでもありNoでもあった。