多様性を尊重する、というのは実に厄介なものだ。
世界の集合意識を無視し続けると、気付いた時には自分が、今の時代にとって大切な価値観から、どんどんズレていってしまう。
そして、そのズレを「強いものイジメ」の現代社会は、どうやら決して許さないようだ。
政治家や著名人が、「ズレ」た失言をしてしまい、懸命に築き上げてきたキャリアを棒にふることすら、もはや珍しいことではなくなった。
この現象は、我々ワインに生きるものたちにとっても、決して対岸の火事ではない。
ワインの味わいや性質を表現する際に、慣習的に用いられてきた言葉の中には、すでにズレてしまっているものが少なからず存在しているからだ。