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再会 <6> 違いを知り、追求するという楽しさ

William Downie, Pinot Noir “Baw Baw Shire” 2018. ¥10,000


世界中のワイン、産地、品種、造り手に日々めまぐるしく接していると、どうしても「小さなマイブーム」の波が生じてしまい、特定のワインに集中的に接する時期がある一方で、しばらく接することがなくなるワインも出てきます。


特にマイナー産地、マイナー品種のような特殊性の高いワインは、公平公正がポリシーの筆者であっても、一過性の興味から抜け出せないことが少なくありません。


いや、本音で言うと、そういったワインの追求をもっともっと深いところまでやりたいのですが、そもそも造り手も生産量も少なく、俯瞰して比較しながらの検証がとても難しいという実情があります。特定の造り手の、見知らぬ品種を使った特殊なワイン、というのは飲む分には最高に楽しいのですが、その産地と品種の相性や、浮かび上がってくるテロワールの個性を知るには、どうしても不十分になってしまいます。


さて、筆者のそんなストレスをいつも軽快に吹き飛ばしてくれる品種こそ、ピノ・ノワールです。


世界中で生産され、テロワールや醸造の特徴を忠実に反映するピノ・ノワールは、多様性の宝庫な上に、比較検証が非常に簡単にできます。


ブルゴーニュとカリフォルニアのピノ・ノワールは、どう違うのか。

カリフォルニアのサンタ・リタ・ヒルズとアンダーソン・ヴァレーのピノ・ノワールは、どう違うのか。

農薬や添加物に依存して作ったものと、そうでないピノ・ノワールは、どう違うのか。

伝統派のおじいちゃんと、コンテンポラリー思考の若者が作ったピノ・ノワールは、どう違うのか。


どのような疑問にも、ピノ・ノワールは必ず答えてくれます。

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