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再会 <71> シャブリの黄金時代

Alice et Olivier de Moor, Chablis l’humeur du temps 2022. ¥6,600

 

ワインを学び始めた頃、白ワインの「基本中の基本」として、シャブリを知った人は多いだろう。


シャープな酸が持ち味の、淡麗辛口型白ワインの典型


シャブリというワインをそう教わったはずだ。


しかし、近年の気候変動により、その「シャブリらしさ」は随分と影を潜め始めている。酸はまだなんとか高いレベルで維持できているが、フルーツの性質が明らかに「淡麗」の域を超えてきているのだ。


近年では、遅霜の被害による収量の激減と、ブルゴーニュ全域を襲う価格高騰で、「安くて美味しいワインの代名詞」だったシャブリが、すっかり非日常のワインになってしまったことを嘆く声が多く聞かれる。


確かに、シャブリが昔のままの酒質で、価格だけが高騰したのであれば、その嘆きも仕方のないことと思うが、実際には少し様子が異なっていることに、一体どれだけの人が気付けているのだろうか。

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