Racines Wine, Chardonnay “Sanford & Benedict Vyd.” 2018. ¥16,000
ブルゴーニュが高い。いくらなんでも高過ぎる。
ワインファンを大いに悩ませるこの問題は、実に深刻だ。
特に、新しくワインの魅力に目覚めた人たちにとって、世界最高峰のクラシックワインを体験するためのハードルがとてつもなく高くなってしまったという現実は、非常に厳しいものだ。
それなのに、先輩たちは口を揃えて「クラシックを学べ」と言う。
よほどの経済力か、稼ぎのほとんどをワインに捧げるほどの覚悟、もしくは、ごく僅かな幸運に恵まれた人しか入れない特殊な環境やグループにでも属していない限り実現不可能な「指導」など、もはやただの理不尽でしかない。
それに、ブルゴーニュにしても、ボルドーにしても、気候変動の影響で「クラシック」な味わいは、すっかり迷子になっている。
例えば2018年ヴィンテージのブルゴーニュに大枚を叩いてその味わいを体験したとしても、それはクラシックワインの体験などとは到底言えないだろう。(例外的に素晴らしいワインを造った生産者もいるが。)