Le P’tit Paysan, Old Vine Cabernet Sauvignon San Benito. ¥3,900
温故知新。
筆者が最も好きな熟語だ。
故きを温め、新しきを知る。
それは単純な過去回帰ではなく、過去のイデオロギーや成果を反芻し、深くリスペクトした上で、その先へと進みながら新たな道理を探求していくことだ。
つまり過去回帰はただの「レプリカ」だが、温故知新は「リメイク」であるということ。
人が現代人として自らの生きた証をたてるなら、当然リメイクの方が手っ取り早い。レプリカにどれだけ精魂込めても、膨大な過去作の大海に、いとも簡単に深く沈みこんでしまうからだ。
もちろん、レプリカそのものを批判している訳ではない。
ただ、レプリカがオリジナルよりも高く評価されることなど、ほとんど無いというだけのことだ。
この真理は、ワインの世界にも当てはまる。
そして、ワインの歴史を振り返ってみると、その時々の「最先端」は、ほぼ例外なく、何かしらの「リメイク」である、という事実が浮かび上がってくる。