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再会 <41> Remember Ahr

Meyer-Näkel, Spätburgunder G.G. “Silberberg” 2017.

ヒトは忘れてしまう生き物だ。


たとえ相当ショッキングな出来事だとその瞬間には感じていても、情報がハイパースピード化した現代では、忘れるスピードもまた、加速度的に上がっている。


それこそ、9.11や3.11級の、かつ自身に馴染みのある地域で起こった出来事でも無い限り、多くの人々の記憶に焼きついて離れない、ということにはならない。


この悲しい現実は、大震災というカテゴリーについて考えると良く分かる。


6400人強の人々が犠牲になった1995年の阪神・淡路大震災のことを、まだ覚えている人はそれなりにいると思うが、28万人以上が亡くなった2004年のスマトラ島沖地震、31万人以上が亡くなった2010年のハイチ地震のことを覚えている人は、一体どれだけ日本にいるのだろうか。


それだけ多くの人が命を落とした出来事ですら、現代社会においては、芸能人のくだらないお騒がせ程度のことに、簡単に上塗りされてしまう。


世界では、もっともっと深刻な出来事が日々起こっているのに、我々の関心ごとは、お決まりのように「身近なところ」へと流動していく。



ワインの世界でもそうだ。

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