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真・日本酒評論 <3>:無農薬米が示す確かな可能性

<七本槍:生モト純米酒 無有 2019>


ワインの世界においては、世界的なサステイナブル思考やSDGsが強く後押しをして、オーガニック農業が徐々にスタンダードとなりつつある。その勢いは驚異的とすら言えるほどで、オーガニック転換の前段階である減農薬農法までは、既に世界各地の産地で、広範囲に広がっている。「ワインはオーガニックに作って当たり前」となる時代は、すぐそこまで来ているのだ。


一方、日本酒はどうだろうか


結論から言うと、どうしようもなく出遅れている


栃木の天鷹酒造(銘柄:天鷹)、岡山の丸本酒造(銘柄:竹林)のように、随分と前から有機米の使用に踏み切ったパイオニア的存在はあれど、どこまでいっても大海の一雫に過ぎず、業界全体を揺るがすほどの影響力は発揮できなかった。


確かにここ10年くらいの間は、有機栽培米を導入する酒蔵が増加傾向にあるものの、それでもまだ、小波程度の動きだ。


なぜ、日本酒のオーガニック化がなかなか進まないのか。


ここには、確かに難しい問題が山積している。



まずは有機栽培そのものの問題。

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