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SommeTimes’ Académie <66>(フランス・ロワール地方:Anjou & Saumur地区)

一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのがSommeTimes’ Académieシリーズ。初心者から中級者までを対象としています。今回はフランス・ロワール地方について学んでいきます。

 

フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、日常に寄り添うフランチ・ワインの産地として、ロワール地方の価値は一層高まっています。

 

ロワール地方シリーズ第6回は、「Anjou & Saumur地区」からカベルネ・フランの主要産地を学んでいきます。

 

ボルドーよりも寒いロワールの地に、なぜカベルネ・フランが根付いたのかは、明確になっていない部分が多く残されています。可能性として挙げられるのは、カベルネ・フラン特有の寒気耐性の高さですが、温暖化の影響が顕著になる前まで、ロワール渓谷で栽培されたカベルネ・フランの潜在アルコール濃度は、10~11%程度の熟度だったとされています。このことからも、ロワール渓谷におけるかつてのカベルネ・フランは、相当程度「補糖」とのセットで成立していたことも見えてきます。

フルボディのワインが強く求められた時代背景に加え、ピラジンの影響を最小限に抑えるための遅摘みやグリーンハーヴェストの徹底へとシフトしたことから、2000年代後半までのロワール渓谷のカベルネ・フランは、青さの無い濃厚な果実味を得る代わりに、酸が減少しました

 

しかし、冷涼地であったロワール渓谷においては、潜在アルコール濃度10~11%での収穫は本来「適熟」の範疇にある上に、そのテロワール特性を補うための補糖は、伝統的な味わいを実現する重要なパーツとしての、立派な伝統技術であったと考えるべきでしょう。

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