一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのがSommeTimes’ Académieシリーズ。初心者から中級者までを対象としています。今回はフランス・北ローヌ地方について学んでいきます。
フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、かねてから評価の高かったローヌ地方のワインも、一部のワインは非現実的な価格となりつつあります。
ローヌ地方は、黒葡萄のシラー、白葡萄のヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌを主体とした北ローヌ地方、黒葡萄のグルナッシュ、ムールヴェドルを主体とした南ローヌ地方に分かれます。
ローヌ地方全体で見ると、北ローヌ地方の生産量は僅か5%程度です。
気候、テロワール、栽培品種、生産量など、様々な面において両産地は大きく異なりますので、混同しないように、各々の特徴をしっかりと把握しておきましょう。
まずは、北ローヌ地方の重要産地から、ローヌ地方シリーズをスタート致します。
北ローヌ地方第1回は、「Côte-Rôtie」を学んでいきます。
Côte-Rôtie
Côte-Rôtieは、北ローヌの主要アペラシオンの中では最北端に位置しています。赤ワインのみを生産する、総面積320ha超という小さな産地です。
Côte=丘、Rotie=焼けた、という名前の通り、南から東を向いた、日当たりに特段優れたテラス状の急斜面が特徴的な産地ですが、実際には北ローヌの主要産地では最も冷涼なアペラシオンとなり、近年は温暖化の強い影響が見られる北ローヌ地方にあっても、バランスを保つことができています。