カンパーニャ州の名物料理と言えば、なんと言ってもナポリ風ピザだが、パスタ類にも名品が多い。
パスタ通の最終到着地であり、極めてシンプルが故に最も難しいパスタとも言われるSpaghetti aglio e olio(イタリア南部全域で見られるニンニクとオリーヴオイルのパスタだが、唐辛子を使わないバージョンはカンパーニャ州が発祥)、ほっこりとするトマトソースベースのGnocchi alla sorrentina、カボチャとショートパスタのスープであるMinestrone alla napoletana、アンチョビ、ケッパー、オリーヴ、唐辛子を効かせたSpaghetti alla puttanescaなど、日本でも馴染み深いものが数多くカンパーニャ州を発祥の地としている。
中でも、筆者が特に好きなのは、アサリなどの二枚貝をふんだんに使用した、Spaghetti alle vongoleだ。一般的には、veraci(ボンゴレ・ビアンコ)の方が有名だが、地元の人におすすめを聞いたところ、満場一致でrossi(ボンゴレ・ロッソ)と返ってきたので、素直に従った。