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欠陥的特徴の経過観察 <3>

ネズミ臭というのは、実に厄介なものだ。


その発生には、法則性があるように見えて、実際には不規則極まりないのだ。


オーストリア・シュタイヤーマルク州特集記事でも触れたとおり、ワインに何かしらの「感情」が宿っている(正確には、ワインの中で生き続ける微生物たちの、集合本能的な「感情」)のでは、とすら思えるような出来事に、私は何度も遭遇している。


ネズミ臭が非常に強く顕現していたボトルが、場所や環境を変えればすっかりとおとなしくなったり、熟成させた後に沈静化したかと思えば、その真逆の現象も起きる。


その揺れ動きの理由を解明することに、私は強い探究心をもって検証を繰り返しているが、果たして答えはいつか出るのだろうか。



期間限定の新シリーズとなる「欠陥的特徴の経過観察」では、とあるナチュラルワインに生じた問題が、どれくらいの時間で「沈静化」(経験上、完全消失する可能性は低い)、もしくは変化するのかを、約2ヶ月おきに検証していく企画としてスタートしたが、前回の第二回検証時(2024年5月3日)に、初回との大きな差が見受けられなかったため、今回は約4ヶ月弱後(2024年8月26日)に検証を行った。

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